平成24年度新政策と予算編成の方針

平成24年度新政策と予算編成の方針

10月18日記者発表

「元気な和歌山」の実現に向けて
平成24年度新政策と予算編成の方針

1 平成24年度新政策の基本的な考え方

3月11日に発生した東日本大震災の津波被害は、近い将来「東海・東南海・南海地震」の発生が懸念される本県に強い衝撃を与えた。加えて、紀伊半島を襲った台風第12号の記録的な豪雨は、多くの尊い人命を奪い、道路、鉄道、通信施設等のライフラインの損壊、広範囲にわたる建造物の浸水、農林水産業、商工業、観光関連産業の直接・間接の損害、さらに世界遺産を構成する神社や熊野古道をはじめとする文化財の毀損など、甚大な被害をもたらし、洪水被害に対する危機感を、改めて県民に抱かせることとなった。

その一方で、円高や電力供給の不安など県経済を取り巻く状況が不透明なことや、少子高齢化や若者の流出などにより、地域の活力が減退しつつあることから、県民の将来への不安感が高まりつつある。

こうした状況を踏まえ、長期総合計画に掲げる『元気な和歌山』の実現のためには、台風第12号災害からの復旧・復興はもとより、災害に強い県土づくりに全力を傾注するとともに、医療、福祉、環境分野の取組強化により県民の将来への不安感を少しでも解消し、また、産業の競争力強化やたくましい次世代人材の育成等、本県の飛躍につながる将来を見据えた政策にも取り組んでいかなければならない。

このため、平成24年度新政策では、風水害や津波などの「災害に備えた『安全』の政策」、福祉や医療を充実させる「暮らしを守る『安心』の政策」、新産業の育成をはじめとする「新たな成長に向けた『挑戦』の政策」に、積極的な予算の重点配分を行う。

災害に備えた『安全』の政策

台風第12号の甚大な災害からの1日も早い復旧・復興や東海・東南海・南海地震など将来の大規模災害発生に備えた取組を実施する。
( )は現在の取組をさらに推進する事業
風水害への対策

  • 台風第12号災害からの復旧・復興
    道路・河川・農地農業用施設等の災害復旧、被災者の住宅再建への支援 、
    被災した農家・事業者等の再建支援など
  • 風水害に強い県土づくり
    氾濫レベルに応じた浸水想定区域図の作成など洪水情報の充実、(中小河川の浸水対策)、
    (排水ポンプ車の配備による機動的な浸水対策)、(急傾斜地崩壊対策)など

地震・津波対策

  • 津波からの避難対策
    沿岸部の小中高校や社会福祉施設等へのライフジャケットの配備、
    高台へ逃げるための避難路の設置や避難場所の創出、津波発生時に一時避難可能な漁業関係施設の整備など
  • 地震・津波の減災対策
    水門・樋門の遠隔化・自動化、陸閘の常時閉鎖化、(木造住宅の耐震化)など
  • 被害想定等の見直し
    国の被害想定の見直しに合わせた津波浸水予測等の見直し、
    河川堤防の耐震・耐津波点検、港湾・海岸施設等の耐津波点検など

大規模災害への総合的な対策

  • 情報伝達、通信手段の確保
    孤立可能性のある集落への防災無線機の整備、道路利用者への津波情報の提供、
    (地上デジタル放送による防災情報の提供)など
  • 救援・救助・備蓄
    孤立集落へのヘリポート整備支援、広域医療搬送体制の整備、
    紙おむつや粉ミルクなどを新たに効率的に備蓄〔ところてん方式〕、
    消防団員へのライフジャケット配備、災害に備えた多重的な道路網の整備など
  • 訓練・啓発
    学校における防災教育の推進、津波防災教育センターのコンテンツ充実など

暮らしを守る『安心』の政策

県民が不安なく日々の生活を営むために必要な福祉・医療の充実や治安の向上などに取り組む。
子育て支援の充実

  • 子育て家庭への支援
    (紀州3人っこ施策の推進)、(延長保育、放課後児童クラブなど保育環境の充実)など
  • 子どもが健やかに育つ環境づくり
    児童虐待等防止対策の強化、検査方法の追加による先天性代謝異常等検査の実施など

県民の健康を守る安心医療の充実

  • 医療提供体制の充実
    地域の拠点病院の改築支援、(がん診療体制の強化)など
  • 医療従事者の確保
    看護師養成所設置支援、(病院勤務医の就労環境の改善)など

安心して暮らせるまちづくり

  • 生活環境の保全
    監視カメラによる不法投棄の監視体制強化など
  • 消費者行政の活性化
    (市町村の消費生活相談窓口の充実・強化)など
  • 治安の向上
    防犯カメラ設置等による街頭犯罪防止対策の推進など

新たな成長に向けた『挑戦』の政策

地域の活力を取り戻すため、県内産業の活力強化など本県の飛躍に繋がる将来を見据えた政策に取り組む。
和歌山産業の競争力強化

  • 意欲的で成長性のある産業の育成
    産学官連携による売れる加工食品づくり、(先駆的産業分野での技術研究開発支援)など
  • 地場産業の育成
    産地企業の企画・提案型の取組支援)など

観光産業の振興

  • 外国人観光客の受入強化
    道路標識・観光案内板等の多言語化、クルーズ船等の誘致推進など
  • 多様なニーズに応じた誘客の推進
    (テーマに応じた観光モデルコースの提案)、(体験型修学旅行の誘致推進)など

農林水産業の振興

  • 足腰が強い産地づくり
    (優良品種への改植や園内道整備など地域課題に応じた果樹産地づくり)、
    生産者団体が設立するトレーニングファーム等での新規就農者の育成支援など
  • 有害鳥獣被害対策の推進
  • 作業道等の整備や機械化などによる低コスト林業の推進など

産業の発展を支える社会資本整備の推進

  • (近畿自動車道紀勢線の整備促進)、(京奈和自動車道の整備促進)、(府県間道路の整備)、
    (川筋ネットワーク道路の整備)

未来を担う人材の育成

  • 次代を担う子どもの資質や能力の育成
    ディベートやICTを取り入れた実践的な英語学習プログラムの導入、
    (和歌山方式の補充学習の実施)など
  • 地域産業を支える人材の育成
    県内企業と工業高校・産業技術専門学院との連携促進による県内での就職の拡大など

2 平成24年度予算編成方針

『元気な和歌山』の実現に向けて、平成24年度の新政策を推進するとともに、財政収支不足額の抑制に努める。また、現行の「新行財政改革推進プラン」(平成20年度から平成24年度までの5年計画)を見直し、平成24年度を開始年とする期間5年間の新しい行財政改革推進プランを策定することとし、平成24年度予算案と同時に発表する。
平成24年度の予算編成においては、聖域なき事業の見直しや取捨選択を徹底するとともに、既存事業については-5%のシーリングを実施する。
投資的経費については、事業効果や緊急性等を精査しつつ、全体としての投資が財政健全化の妨げとならないように努める。
ただし、上記重点政策に沿った事業は、原則としてシーリングを設定しない。

なお、国の予算編成の動向等を踏まえ、予算編成過程において調整等を行うものとする。

資料(PDF形式 203キロバイト)

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